うまくいかない時は・・・必要とされていない時

境内にてマルシェを開催しました。開催の経緯は、同じ町内に住む女性の方から「不動尊さんでマルシェをしたいのですが・・・」とお声がけをいただいたのが始まりでした。

わたしも境内でマルシェをしたいと思っていたのですが、懸念材料が一点ございました。それは、祈祷日である日曜日に開催するということでした。 創建から62年、御祈祷寺としてお参りいただいておりますので、新たな事業によって御祈祷でのお参りに支障をきたすことだけはさけたかったからです。

今までのキャンドルナイトや薪能といったイベントは、御祈祷終了後の夕方から始動しておりましたので、その辺りの心配は必要なかったのですが、今回の「しまくまマルシェ」は、日中での開催という事で非常に気をもみました。

当日は、御祈祷申込者専用駐車場を4台確保していたので、スムーズに御祈祷を受けていただく事ができ、その後、マルシェも楽しんで帰られた姿を見て、開催して良かったと心から感じました。

また、ご来場者さまの顔ぶれを拝見しますと、普段からお参りくださる方々や近所の方々と地域に密着したマルシェとなりました。特に印象的だったのは、来場時間が長いという点かと思います。境内に設置した休憩所がよかったのか、時間を忘れて楽しまれる方々をたくさんお見かけしました。

今までのイベントであるキャンドルナイトも薪能も夜間開催ということもあり、参加できない方もおられたと思います。そういった方々が日中、お越しいただけるイベントになったと感じました。

御祈祷・子供の習い事・茶道のお稽古・境内ではマルシェと、とても素敵なお寺だなぁと自画自賛の1日となりました。

私が住職に就任しお寺の維持が軌道に乗ったころから様々な事業をしてまいりました。周りの方からは、「かわったね~」「いつも何かしてるね~」「お参りが多いね~」「境内がいつもきれいだね~」「頑張っている姿を見て力をもらえます」などのお声を頂戴するようになりました。

お寺としても「永代供養」「動物供養」「人形供養」「遺品供養」「御祈祷」「地鎮祭」「家のお祓い」「相談」「名づけ」「お葬式」「ツバメの見守り」と引き出しは多く活動をしております。開門は5時30分、閉門は20時30分と遅い時間まで門を開けてお仕事帰りの方のお参りをお待ちしております。毎朝、お護摩を焚いてお勤めし、自由にどなたでも参拝いただけるようにもしております。

なぜ、檀家周りやお葬式や法要のみのお寺も多い中、色々なことに取り組むのかといいますと、こうしてお参りいただくからであり、必要とされているからこそ、私もお役に立ちたいと思い様々なことにチャレンジさせていただけるのです。

まさに相互供養相互礼拝であって、お互いがお互いを尊重し、認め合い、必要としているからだと思います。

これからの世の中は、人口も減りいろんなことが淘汰されていくでしょう。お寺も例外ではありません。必要とされなければお寺も廃寺となることでしょう。だからといって、お寺の運営は商売ではありません。損得勘定で動くのではなく、相互供養相互礼拝の精神で一生懸命役目に邁進すれば、廃寺となることはありません。

置かれたところで、今の環境の中で、ぜひ精一杯思いやりの心で精進してみてください。必ず周りの意識や見方が変わっていくと思います。

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