令和2年は、十二支のトップバッターである子の年、コロナウイルスの猛威に拠り新時代に突入した年とも言えます。コロナという疫病の到来に半ば強制的に時代の扉を開けさせられた、そんな節目の年となりました。
そんな中、流行語にも選ばれた「鬼滅の刃」。飛ぶ鳥を落とす勢いで今なお、老若男女を問わず、人気を誇っています。
理由を考えるに「疫病」を鬼と見立て、疫病に身体が蝕まれようとも「心」までは、病に犯されないという現代人の姿と、鬼に噛まれ普通の人間なら鬼と化すはずが、鬼の毒に蝕まれずに「人間らしく」生きたいと強く思う禰󠄀豆子のその姿に共鳴し、我々現代人に響くものがあったからこその「大人気」なのだと思います。
令和3年もコロナという疫病に即して日常を歩んでいくことになるでしょう。「コロナ禍」によるストレスから「心」までも蝕まれないように努める必要があります。
仏教では、この鬼を「貪・瞋・痴」という三つの毒で表現しています。
貪り・いかり・愚痴を「食」している限り、人間らしく生きることは、難しいでしょう。努力しても三日坊主で終わってしまうのが、我々人間。
人間が人間らしく生きるためには、鬼滅の禰󠄀豆子のように、口に竹をあててでも「鬼にならないぞ」という強い意志で「人間らしく」振舞っていただきたいと思います。
ご祈祷で疫病の終息とはいきませんが、心のストレスを取り除くお手伝いはできます。
令和3年の新年大護摩祈祷より、二尺八寸の大太鼓を用います。大太鼓の振動によって、祈願主の抱える心のストレスを取り除くと同時に、幸せをご祈願・ご祈祷致します。
十五日間、新年の御祈祷を厳修しておりますので、分散にてお参りいただきますようお願いいたします。
皆様にとって令和3年が、よき一年となりますように。 合掌