「新年の節目にこそご祈祷を」

昨今は、記録的な豪雨、強烈な台風、そして強い揺れに次々と天災に襲われて多くの犠牲者、甚大な被害が出ております。天災を目のあたりにするといつも思います。この国が、いや私達が住んでいるこの世界は、天災から逃れることができないのだと。

一切皆苦〜人生は思い通りにならない〜

お釈迦さまは、私たちの世界は自分の思い通りにならないことばかりである、という真理を説いておられます。仏教の「苦」とは、単に苦しいということではなく、「思い通りにならない」という意味があります。「思い通りにならない」ことを前提とし、歩みを進めていくことが、人生を歩むコツのように思います。

このように、「生きるコツ・生きる力」を与えてくれる人間学の一つとして、仏教(宗教)は存在します。その仏の教えに触れていただく機会の一つとして「お正月」があります。

お正月は、一年の始まりと同時に大事な節目にあたります。

「竹にフシがなければ、ズンベラボーで、とりとめがなくて、風雪に耐えるあの強さも生まれてこないであろう。竹にはやはりフシがいるのである。同様に、流れる歳月にもやはりフシがいる。ともすれば、とりとめもなく過ぎていきがちな日々である。せめて年に一回はフシをつくって、身辺を整理し、長い人生に耐える力を養いたい。そういう意味では、お正月は意義深くて、おめでたくて、心もあらたまる。常日ごろ考えられないことも考えたい。無沙汰のお詫びもしてみたい。そして、新たな勇気と希望も生み出したい。すがすがしくて、さわやかで、お正月はいいものである」(現パナソニック創業者・松下幸之助氏の言葉より)

新年のお参りが、常日ごろ考えられないことを考えていただく、きっかけとして頂けたら幸いです。お正月に非日常の空間へ身を置くことで、人間学でもある仏教を肌で感じる大変良い機会となるのではないでしょうか。また、「一年の計は元旦にあり」とも言われ、一年の目標を立てるのにも良いでしょう。

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