毎朝焚いております〈護摩の功徳〉についてふれてみたいと思います
当山では息災法の護摩を修法しています。息災法とは、字の如く「災いを息」(わざわいをやむ)と言って、個人の苦難や煩悩除去、それだけではなく疫病や自然災害などが発生した際に心のざわつきをストップさせることも含めての祈願となります。
「護摩」には浄化、清めの意味もあり、「土には浄化と再生する力。水には洗い清め、火は焼き清める、風は払い清める。」大いなるこの自然の浄化力に勝るものはありません。
護摩を焚く作法でも4大元素の「地·水·火·風」の力が備わっています。
地は護摩を焚く壇のこと。昔、インドで護摩を焚く時は、土で壇を築いておりました。水は真鍮製の仏器に入れ、風は扇によって発生させ、火は壇木を燃やしておこします。
護摩の功徳が増大なのは、「地·水·火·風」の自然の力を最大限に用いて、場を清めること。神仏の好む空間、それはきれいな清い場所。境内で一番「清い」場所は護摩壇の火の中になります。その護摩の火の中に木札を潜らせることで不動明王の御霊が宿り…手を合わせる対象へと変わります。
コロナという疫病によって、我々人間の心は、ざわざわしております。そんな心のざわざわによって、本質が見えなくなってしまわないように毎朝お護摩をもってご祈願しております。