「考える」

今私ができること、それはこの世界で【如何に生きるか】ということに真剣に向き合いそして【今をより良く生きる】ということを念頭に置き日々自問自答しながら前進していくことに尽きます。

【今をより良く生きる】ための最善の方法を、仏教は教えてくれています。それは、六波羅蜜(ろくはらみつ)という仏教の修行方法の中の一つである、布施(他へ分け与える)という行為です。これを「布施行」と言います。

私には、とても尊敬し、いつもその背中を追いかけていた先輩僧侶がおられました。その方は、平成30年に四一歳という若さでこの世を旅立たれましたが、いつも檀信徒の皆様に『お布施は修行』といって説法をされておられました。

命と同様に大切なもの、それは、「時間とお金」であります。その自分の大切な時間とお金を手放し、他へ分け与えることが修行であり布施行になります。

二宮尊徳公の教えに『たらいの水』の話があります。

水を自分のほうに引き寄せようとすると向こうへ逃げてしまうけれども

相手にあげようと押しやれば自分のほうに戻ってくる。

だから、人に譲らなければいけない

 

まさに布施の精神と同じではないでしょうか。自分にとって大切な時間とお金を引き寄せるのではなく、向こうに押しやる、手放すことで巡り巡って得られるということです。私が尊敬してやまない、今は亡き先輩僧侶の教えと二宮尊徳公の教えと同じであります。

足りない、足りない、もっともっと、とかき集めようとすればするほど、幸せが逃げていくということです。

頭では理解していてもなかなか出来ません。私たちが生きているこの世界は、修行の世界でございます。お寺は、修行の道場であります。その道場を維持する役目のためだけに私は存在しております。どうぞ一緒に修行をいたしましょう。

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