【お仏壇とは】
仏壇は、ご先祖様に思いをはせる依代であると同時に、生きている私たちの為にもございます。私たちは、命ある限り『考え続ける』生き物です。考える場所として、外にはお寺、内には仏壇。仏壇の大小は関係なくお迎えしていただきたいものです。本堂の「ご家庭版」がお仏壇です。
【仏壇を購入しましたが、どうすればいいですか?】
僧侶に開眼作法をお願いしてください。そもそも仏壇は、ご自宅に運び込まれるまでの間に、職人さんや運送屋さん、仏壇屋さんとたくさんの人々の手を通って、ご自宅に届きます。形あるものには、「思い」が宿ります。これは変わることのない真理です。ご自宅に到着した時点で、すでにさまざまな人々の「思い」が詰まっているのです。よって到着後ご準備が整いましたら僧侶にお勤めをしてもらいます。お勤めをすることで、すでに詰まっている思いを一旦清浄にします。そして、手を合わせる仏様(対象)として改めてスタートをきるのです。これを開眼作法と言います。
【後継もなく、施設に入るので、お仏壇を処分したいけれど、どうしたらいいですか?】
撥遣作法(魂抜き)のお勤めをする必要があります。物事にはすべからく始まりがあれば終わりがあります。水も水道の蛇口を捻って出しますが、出しっぱなしというわけにはいきません。やはり、もう一度蛇口を捻って閉める必要があります。これを「けじめ」と言います。その後仏壇も引き取り。しかるべく処分いたします。費用は、仏壇の大きさで変わります。詳しくはこちらをご参照くださいませ。
【後継はいつが、子供たちには仏壇が重荷になるので、処分したいけれど大丈夫ですか?】
仏壇の処分に関しては、いつでも執り行うことが可能ですので、処分は実際に難しくなってからでもよろしいのではないかと思います。
【近親者が亡くなり、何も手を合わせる対象物がないのは、寂しく感じます。しかしお仏壇までは購入を予定していないので、お位牌だけお祀りすることは問題ないですか?】
昨今お位牌のみ、お祀りを希望される方が増えております。その背景は、「後継がいない、お仏壇まで用意するのは少し仰々し過ぎる」などの理由が多く見受けられます。
お位牌をお祀りすることは、とても尊い行為です。しかし、仏壇という屋根代わりがないのは、仏様を雨晒しに雨晒しにしてお祀りしているのと同じことです。丁寧には、お仏壇という屋根があった方が良いでしょう。
このような意味を知った上で、お位牌のみをお祀りするのであれば、良いと思います。
【お位牌に手を合わせていますが、正しいのでしょうか?】
私たちは、故人やご先祖様に直接手を合わせて功徳をお供えしている訳ではございません。仏壇で言うと1番高いところにお祀りしている仏様にお供えをしております。仏様に手を合わせたその功徳は、一つ下の台にお祀りしているお位牌の精霊に降り、次に生きている私たちに降りてきます。そして、生きている私たちができることは、手を合わせることですので、仏様に対して感謝の思いや「ご先祖さま、故人さまをよろしくお願いいたします」というお気持ちで手を合わせます。
これを「縁」と言い、高いところから低いところに水が流れるのと同じことです。仏教は「縁」の教えであり、縁は直接ではありません。巡り巡って隣にいる人の幸せを祈る教えなのです。
水は太陽に照らされて蒸発し、上空で冷やされて雨となります。山に降った雨は地中を通り、滝となり川となって海に流れつきます。手を合わせるということは、自然の循環と同じことをしているわけです。
お仏壇の必要性がここにあるのだと思います。
【真言宗ではありませんが、仏壇開眼や回向をしていただけますか?】
はい、可能です。
お勤めの方法は、真言宗のお経と作法になります。
【仏壇はどの方角に向ければいいのですか?】
北向きでなければ、問題ありません。本堂のような尊い存在ですので、家族が手を合わせやすいところに置かせていただきましょう。
【お仏壇にお札や写真を置いてもいいですか?】
置くこと自体は問題ありません。
しかし、あまり多くのものを置きすぎると空気の流れが悪くなり、正常の空間が保てなくなります。清浄で綺麗だからこそ、仏さまの空間となりますので、あまりたくさん置かないようにしましょう。