師走の候 寒さもひとしお身にしみる頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
今年は、緊急事態宣言・まん延防止措置等の発令期間が200日を超え、思い通りに生活できない日々が続きました。
令和3年の新年祈祷会では、「鬼滅の刃」の人気に乗じて「鬼を滅して人間らしく」というテーマで法話をいたしました。自分の中の鬼が顔を出す瞬間、それはまさしく物事が思い通りにならない時ではないでしょうか。
疫病であるコロナも含め自分の思い通りにならないのがこの世界です。
思い通りにならないからといって自分のことは棚にあげ、周りのせいにしたとしても、残念ながら鬼となり苦を伴います。鬼となるその瞬間に、自分の行いが「人間らしい」行動かどうかを今一度、問いただす必要があります。
それには、平生から心に余裕を持って過ごすことが大切となります。
そのためには、「マインドフルネス」いわゆる瞑想を日常に取り入れることが一つ良い方法でしょう。
マインドフルネスとは、その瞬間(今ここ)に目を向ける瞑想法です。
昨今では、海外大手企業も率先して職員への研修として取り入れているものです。
また、心を穏やかに過ごすことが、先祖供養にも繋がります。それはご先祖さまに安心を届けることになるからです。
想像してみてください。
自分の子供たちや身内が下を向き泣いていたり、喧嘩ばかりしていたらどうでしょうか。
心配になるものではないでしょうか。
本当の意味でのご供養とは、私たちが穏やかに人間らしく過ごすことで、個人やご先祖様に安心していただくことにあります。
お寺は、自分と対峙をする瞑想の場所であり、これこそがお寺の存在意義であると感じております。
豊中不動尊は、2022年に『開創60周年』という大きな節目を迎えます。
これも偏に地域の方々のご理解と豊中不動尊を必要としてくださる皆様のおかげであります。
60周年の節目を迎えさせていただけることへの感謝と新たな一歩を踏み出す契機として
『開創60周年記念事業』を立ち上げ、境内整備をはじめ秘仏のご開帳、記念法要などを計画しております。
今以上に開けたお寺を目指し、皆様の人生に寄り添える存在となれるように精進してまいります。
どうぞ、よろしくお願い申し上げます。