
皆さんは、こんな経験をしたことはないでしょうか?
例えば「あの人、元気かなぁ~」と心の中で思っていたら、近日中にその人から突如電話がかかってきたり、街中でばったり会ったりして、驚いたことや。他人との会話の中で登場した人や物が数時間後に目の前に現れて驚いたことはありませんか。
もしかしたら、偶然だと思って、あまり気にされず流してしまっているのかもしれませんが・・・・。
わたしにとっては、日常茶飯事。
つい先日も、護摩で使用する樒を亀岡に採りに行く日のこと。その道中、知人が所有する資材置き場を通過するので、帰りによって挨拶をしようと思って車を走らせておりました。帰りに作業場を覗くと、知人が作業をされていたので手を振って近づいたら、その方からの第一声が「今朝、谷さんにラインをしようと思ってたんよ~」「だけど文字で伝えるのが難しいから、止まってたんよ~」というお言葉でした。
その方が私にメッセージを考えておられた時間と、私が「樒」を採りに行くことを決めた時間がほぼ同時刻の早朝だったのです。偶然と思われる方もおられるでしょうが、私はその知人が私に対してメッセージを送ろうとしていたその「思念」が、その日に「樒採りに」行かせるべく私の背中を押したのだと思っています。その後、その場で直接、相談を受けその日の夕方、家族でお寺にお参りされ、悩みはすぐさま解決したのでした。
また、これもつい先日のお話ですが、お寺の事務員として働きながら「公認会計士」の試験を無事合格し今は東京の監査法人で働いている子が、大阪で仕事があって、お寺に帰省し一泊したので、いろいろとお話をしておりました。その会話に登場した後輩の女の子が、その日の夕方寺務所にふらっと挨拶に来たのです。こんな偶然なかなか無いと思いますが、これも実話なのです。
これは昨日のお話ですが、今回の通信の題名を「虫の知らせ」にしようかと考えていた矢先、たまたま観ていた「映画ドラえもん のび太の月面探査記」のなかで、「虫の知らせアラーム」という道具が登場したのです。思わず笑ってしまいましたが、まさかドラえもんの四次元ポケットの道具から、私が今月の「お題」にしようと思っていた「虫の知らせ」が飛び出してくるとは、思いもよりませんでした。
私にとっては日常茶飯事ですが、皆様におかれましては、度々とはいかなくても、過去に何回かは経験されたことがあると思います。
これは、良い「虫の知らせ」であり、いま流行っている言葉でいうと「引き寄せ」という言葉になるのでしょう。
要は、念じればそのように物事が引き寄せられて目の前に現象として実際に起こるのです。
言葉に出せば、それは言霊になり、心のなかで思えば、それは思念となるでしょう。ともにその「念」は、飛び出してコロコロと前に転がっているのです。祈祷や祈りが令和になっても無くならず続いているのは、こういったところに意味があるからなのです。
仏教では、これを「衆因縁」といい、この世界はすべて因縁で繋がって構成されていると説きます。これを曼荼羅世界とも言います。良い行いも悪い行いもコロコロと前に転がっているのです。それは、良いことも悪いことも隣にいる大切な人のところまで転がっていることを知りましょう。
ミスチルの「彩」の歌詞にある、「回り回って今僕の目の前の人の笑い顔を作ってゆく」
まさに「念ずれば回り回って必ず花開く」のです。もしかしたらそれは、自分の大切なひとの背中を押してその人の花を開かせることになるのかもしれません。その大切な人の花(笑顔)をみて、自分の花が開くのかもしれません。
こういったことを通して、目には見えないところに大切なことがあるのだと知ってもらえるのではないでしょうか。
言霊や思念を考えると、うかつに人の悪口などは言えませんね。言えば、それも同じようにコロコロと転がっているのです。その結果は想像できるでしょう。
あなたにとっての大切な方の笑顔のために、不思議を知り怖さを知って謹みましょう。きっとその行動が、笑顔の種になることでしょう。